今回は平沢進名義ではなく、核P-MODELを紹介します。
核P-MODELは平沢進がもともとやっていたP-MODELのソロバージョンみたいなものです。平沢進が一人でやっているのであればそれは平沢進ソロでは?と思う方もいるかもしれませんが、核P-MODELと平沢進ソロでは音楽性がかなり異なります。
核P-MODEL名義で一番新しいアルバム回=回の一曲、遮眼大師です。バッキバキの電子音がたまりませんね。サビのマントラは連呼したくなります。激しく。単純なつくりの曲ですけどそのシンプルさが平沢の魅力でもありますね。
平沢進ソロと核P-MODELの違い
私は、
核P-MODELはとても全体的に攻撃的で直接的な角ばった音楽。
平沢進ソロは間接的に皮肉るってはいるけれど直接的には攻撃をしない音楽。
だと思っています。
核P-MODELの元ネタのP-MODELはジャンルとしては一応テクノポップとして扱われていたりしますが、歌詞を見てみると、とてもパンクに近い攻撃的な歌詞が多いです。初期のP-MODELも電子音は入っていますがジャンル分けをするのであればテクノポップよりもパンクロックの方が妥当です。
初期の KAMEARI POPの歌詞には PTAのおじちゃんにぼくのママは寝取られたなんてのもあります。これはひどい。
ちなみにP-MODELが影響を受けたバンドはクラフトワークではなくてセックス・ピストルズだそうです。
とても目つきが楽しそうですね。
核P-MODELもこの流れを引き継いでいるため結構過激です。
例えば、崇めよ我はTVなりという楽曲の歌詞の一部では
ゲロを吐け 断じて狂気の罪人 罵詈と孤立を授けよう
と言ってます。テレビを見てないだけで罵詈雑言の嵐、狂人扱いです。この曲が出たのは2004年。確かにその頃であれば今よりも、もっとテレビが力を持っていた時代です。ネットも発達途中だったのでテレビが言っていることが嘘か真かを気にする人はそこまで多くなかったのでは?そんな頃にここまで批判的な曲を作るとは。時代の先を行っていますね。
平沢進ソロだとここまで激しいことは言っていませんね。反戦の歌などはありますけど。(高貴な城とか)
平沢進ソロの方がある意味女性的で優しげな印象があります。使われている音も硬質的な音は少なめです。
ただ近年平沢はライブで核P-MODELと平沢ソロをごちゃまぜにしてやっていることが多くなりました。平沢自身に何か心境の変化があったのでしょうか。気になりますね。
平沢進のアルバム紹介その3
ビストロン
ものすごく尖ったアルバムです。電子音バリバリのサウンドでノレます。ディストピア的な要素の詰まったが楽曲が目立ちます。ジョージ・オーウェル の1984の影響を受けて作られたアルバムですね。文庫本で買ったはいいけどまだ読み終えてないや。時間あるときに読まなきゃ。
このアルバムでのおすすめ曲を2曲紹介しておきます。Big Brotherと崇めよ我はTVなりです。あ、上でも紹介していますね。 この2曲はビストロンの中でも特に強烈な楽曲です。聴けばわかります。
監視やら洗脳やら1984の世界観が実際の今の社会にも当てはまる。恐ろしい時代になりましたね。何が本当で何が嘘か自分で見極める力が求められます。自分の頭で考えてで判断しろっていうのは平沢がずーっと言っていることですね。皆さんも一つのことが気になる場合、複数の点から情報を集めましょうね。自分の気に入った情報だけを頭に入れているとそれが偏っているのかすらわからなくなってしまうので。
гипноза
ギプノーザと読みます。見ての通りロシア語です。ロシア語で催眠という意味だそうです。ロシア語を平沢わかるのか?と思う人も多いと思いますがわからないそうです。単純に翻訳サイトを使って言葉を選んだみたいです。不思議なことをするなぁ。このアルバムも引き続き電子音多めです。ただビストロンよりは大人締めの印象です。
このアルバムも引き続きディストピアな世界観になっています。
タイトルの時点で催眠だからね。催眠からの解放?みたいな感じかなぁ。このгипнозаは東日本大震災を受けて作られたアルバムです。そのためなのかはわかりませんが、最後は希望を持たせた救いを感じさせる雰囲気になっています。
Timelineの東はTwitterの影響を受けて作られた楽曲ですかね。真実は平沢に聞かないとわかりませんね。ネットの世界はとても広大です。自分が今まで正しいと思っていたことが実は間違っているかもしれません。狭いと思っていた世界も実はもっと広いのかもしれません。平沢が言いたいのはこういう話でしょうか。私は平沢進では無いので答えはわかりません。
回=回
なぜか急にギターを中心としたサウンドになります。P-MODELの中期みたいなサウンドで近年の平沢進とはだいぶ異なるので予想外なアルバムでした。核P-MODELなのか?どちらかというとホログラムを登る男の次の平沢進ソロでも違和感がないような。
攻撃的な平沢進のスタイルはここ数年で抑えめになっていったような印象がありますね。ビストロンから点呼する惑星当たりを境に抑えめになっています。また平沢進の声のピークもそのぐらいの時期だったように感じます。高音の安定感は今のライブでも素晴らしいのですが、10年前に比べるとパワーが足りない気もします。年齢を考えればそりゃそうかって話ですけどね。逆に年齢を考えるとなんでここまで綺麗に歌えるんだこのおじさん。
このアルバムは過去の平沢と今の平沢が合わさった音楽になっています。曲調や歌詞からも今までの平沢進の集大成のようにも思えます。ここで一区切り付け次なる展開に進むのか。これからの平沢が気になります。
このアルバムでおすすめの曲は幽霊飛行機ですね。とても胡散臭くてよいです。正気を焚いてってどんな歌詞だよ。隠されていた真実を幽霊飛行機が皆にばらまく。そんな印象を受けます。幽霊飛行機→PLANET-HOME→HUMAN-LEと続けて読み解いていくとなんとなく平沢進が何を考えているかわかるような気がします。
まとめ
今回は核P-MODELのアルバムについてザックリとまとめました。好きなものについて言葉でまとめるのって本当に難しいですね。これで平沢進がソロでやっているアルバムは紹介出来たと思います。あまりにもザックリ過ぎるので正直これだけじゃ全然足りないですね。とりあえず平沢進について気になった人は楽曲をまず聴いてみてください。はまる人は強烈にはまりますので。